マルコ・ポーロ(第1シーズン)

NETFLIXで配信されているTVドラマシリーズ。当初NETFLIXの目玉番組として紹介されていたが、製作費の高騰などが原因なのかシーズン2で終了になったいわくつきの作品。なんとなく観てみたら滅茶苦茶面白くて第1シーズン全10話あっという間に観てしまった。

これはタイトル通り「東方見聞録」で有名なイタリア人の商人マルコ・ポーロを主人公に、彼が元(モンゴル)の皇帝フビライ・ハーンに仕えた日々を虚実ないまぜの一大スペクタクルとして描いたドラマシリーズだ。

フビライと王妃や皇太子などその周りの人々や、敵役で、元と対立する宋のカマキリ宰相こと賈似道やその周辺の人々を丹念に描いて非常に面白い。元と宋双方の国内部での権力争いの駆け引きや人間模様がリアルに描かれているし、マルコと、バヤウト族の亡国の王女コカチンとの恋愛要素などもあって全10話全く退屈しない。多少残虐な描写もあるがこの時代が舞台の戦乱の物語の映像化ではそれがなければリアルさも半減するので致し方ないところか。

有名な俳優はだれ一人出ていないが、どのキャラクターも全く違和感ない。エキストラに至るまで丹念でリアルな描写が映画並み。当時の元がモンゴル人、中国人、アラブ人が入りまじる人種のるつぼだったことが実感できるのもいい。

私はこのあたりの歴史の知識はほとんどなかったので、Wikipediaで調べてみたら、ドラマで起こっていた事件はかなり歴史上の記録と近い。ドラマを観ながら調べてみると面白いと思う。たとえばコカチンはマルコがイタリアへ帰国する際にイル・ハン国(現在のイラン)に嫁がせるために送り届けたとされている。ドラマとは全く違うけど、このエピソードからこのドラマの展開を考え出すシナリオライターってある意味すごいと思う。

さてシーズン2はどうなるのかな。でもシーズン2で打ち切りって残念過ぎる…