2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

福永武彦 死の島

今日1月23日は私の最愛の小説、福永武彦「死の島」の日。これを記念して、以前旧ブログに上げたロングレヴューを再掲させていただきます。。 昭和29年1月23日。都内の小さな出版社に勤める小説家志望の青年相馬鼎(そうまかなえ)は、懇意にしている画家、萌…

シュティフター 石さまざま

先日紹介したケラー「白百合を紅い薔薇に」とともに中央公論社「世界の文学」第14巻に収録されていたオーストリアの作家アーダルベルト・シュティフターの代表作。6作からなる短編集。前にも書いたが岩波文庫の「水晶 ほか3編」ではそのうち4作しか収録さ…

スタニスワフ・レム 地球の平和

ついに刊行されたレムの「泰平ヨン」シリーズ最終作。長らく翻訳を待っていた作品をついに読むことができて大変嬉しい。 冷戦でエスカレートするばかりの軍備拡張に倦んだ各国の人々は、軍事産業をすべてAIに任せたうえで、月で行うことにする。しかしその後…