だいぶ長い事放置してしまったが、父が倒れたり兄が亡くなったりで忙しかったこともあって大して本は読んでない。文庫化されたので再読したガルシア・マルケスの「百年の孤独」、光文社古典新訳文庫で発売当時話題になったドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」全五巻、それにジェームス・ロビンスのファンタジー小説「星なき王冠」上下巻というところかな。
「百年の孤独」はとにかく物量がすごい。長編小説十数冊は書けそうなアイディアが投入されていて圧巻。Netflixで先日公開されたドラマが第1シーズンの第8話までで原作の1/3くらいしか進んでないことからもその内容の濃さは計り知れるというものだ(普通の小説でこのページ数なら8話もあれば完結する)。内容の濃さから言ったら「カラマーゾフの兄弟」の2倍くらいの長さでもおかしくない。逆に「カラマーゾフ…」の方は数日間の話を3巻1000ページ以上かけて書いているわけでそういう意味では対照的。でもまあどっちも人類の遺産と言っていい傑作だ。ちなみに光文社古典新訳文庫の「カラマーゾフ…」は第5巻の余白の解説が圧巻。以前読んだことがある人もこれ読んでほしい。
「星なき王冠」はファンタジー小説。自転が停まった惑星を舞台に、月が落ちる大惨事を予知した少女を巡ってのドラマが展開される。まあそれなりに面白いんだけど、お話にも文章にも品格が足りない。続編は読まないかな。
で今はルーシャス・シェパードの竜のグリオールシリーズ最終作「美しき血」を読んでます。