2024-01-01から1年間の記事一覧

スタニスワフ・レム 捜査

レムコレクション第2期の最新刊は久山宏一訳「捜査」と柴田文乃訳「浴槽から発見された手記」のカップリング。 「捜査」はハヤカワ文庫から出ていた深見弾氏による翻訳、「浴槽」は深見弾氏の翻訳による集英社版ハードカヴァーと村手義治氏の翻訳によるサン…

佐藤亜紀 スウィングしなけりゃ意味がない

第二次大戦下のドイツ、ハンブルク。青年エディは敵性音楽であるジャズに魅せられ、仲間を集めて闇パーティを開催したりしていたのだが、徐々に戦況は悪化、エディの周辺もどんどんきな臭くなっていく。ゲシュタポに捕まって収容所の地獄を見たりしながらも…

ルーシャス・シェパード タボリンの鱗

前回読んだ「竜のグリオールに絵を描いた男」の続編でシリーズの中編2作を収録。 表題作「タボリンの鱗」はタボリンという古銭商の男がたまたま手に入れたグリオールの鱗を触っているうちに一緒にいた娼婦の女性シルヴィアともども謎の未開の場所に飛ばされ…

ルーシャス・シェパード 竜のグリオールに絵を描いた男

その昔魔術師によって封印された体長1マイルにも達する竜のグリオール。その体は歴史の流れの中で土地の一部となり、その周辺にはいくつかの集落もでき多数の人間が暮らすようになった。しかし彼は麻痺した状態で生きていて、しばしばその邪悪な意図で人々を…

水谷周 現代アラブ混迷史

イスラエルとハマスの戦闘はどんどん泥沼化していくばかり。毎日パレスチナ情勢のニュース見ては「いい加減にしろよイスラエル」と憤るのだが、イスラエルとアラブの対立の歴史についてちゃんと知っておきたいなと思い古本でこの本を見つけて読んでみた。 だ…

ネイサン・ローウェル 大航宙時代-星海への旅立ち-

企業惑星ネリスに住み大学進学を控えた青年イシュメールだったが二人暮らしの母がある日突然事故死してしまう。母の扶養家族として住んでいたネリスを出なければいけなくなり、仕方なく船員として貨物宇宙船ロイス・マッケンドリック号に乗ることになる。 こ…