実は先日、昨年から渡欧していた次女が帰国して、現在同居しているので隔離生活中。まだ3日目だがやる事なくてすでに退屈。まあそんなこんなでHDDレコーダーに録画しっぱなしで放置してたロシア映画「スペースウォーカー」を観た。
人類初の宇宙遊泳を行ったソ連の宇宙飛行士アレクセイ・レオーノフの物語を本人監修で映画化したもの。1965年にレオーノフがパベル・ベリャーエフとともにボスホート2号という宇宙船で飛んだ時の実話なのだが、宇宙遊泳から戻れなくなったり、機内の酸素濃度が高くなって意識がもうろうとしたり、機体が回転して大気圏再突入がヤバくなったり、やっと着陸したらどこに着陸したかわからず吹雪の中でよりを過ごす羽目になったりと、これでもかこれでもかとトラブルに見舞われるがこれが実際そうだったんというんだからある意味恐れ入る。
そんな中、フライトの総責任者でもあるセルゲイ・コロリョフは冷静に事態に対処し、なによりもクルーの安全を優先して軍のお偉方とも渡り合う理想的な上司として描かれている。コロリョフが実際にこんないい上司だったのかはネットで調べてもよくわからないが、レオーノフがそう言うんならそうなのだろう。
ロシア映画と言うとやたらに重苦しいイメージがあるが、これはそんなことはなく見やすい。アメリカ映画の「アポロ13」と同じ感触の宇宙開発を描いたドキュメンタリー的歴史映画であると言えるだろう。危機に直面した人々を描いた秀作でもある。
宇宙ファンとして、でたらめばかりのSF映画「ゼロ・グラヴィティ」などよりこちらや同じロシア映画「サリュート7」をお勧めする。