「エヴァンゲリオン」の庵野秀明による話題の映画「シン・ウルトラマン」を観てきた。
日本に次々と禍威獣と呼称される巨大生物が出現、政府は禍威獣対策のための専任機関機関、禍威獣特設対策室、通称「
にせウルトラマンが登場、女性隊員が巨大化、ゼットンとゾフィーの登場など随所でオリジナルのTVシリーズに出てきたエピソードをなぞりながらウルトラマンの物語を現代風にアップデートして見せている。禍威獣は生物ともロボットともつかないイメージでどれもどことなくエヴァンゲリオンの使徒っぽい。戦いもCGで描かれて冷やっこい。
後半外星人メフィラスが現れ、ウルトラマンの力の源であるベータシステムを人類に供与すると言い出す。このシステムを使えば人類ひとりひとりをウルトラマンと同等の力の持ち主にできるのだ。ベータシステムの供与を防ぐために
ゼットンの弱点を見つけるためにウルトラマンは
そしてベータシステムを得た人類はどう変容するのか。そのへんもなにもわからない、示唆もしないまま、ウルトラマンは力を失ったと思えるラストで終演。
この春からのロシアのウクライナ侵略を根拠に日本も核武装すべき、という声はよく聞く。この映画の製作中はまだロシアの暴挙は起こっていなかったのだが、日本の核武装論を下敷きにしたシナリオであることは明白で、でもこの映画、では日本はどうするべきなのかという態度がはっきりしないなあと、まあ映画でそんな微妙な政治的なことをはっきり言うわけにもいかんのかなあと、そんなことを思った