ハートランド物語(第2シーズンまで)

NETFLIXで配信されているカナダのTVドラマ。2007年に放送が始まり現在に至るまで13シーズン214エピソード(とTVスペシャル1本)が制作されている。カナダ・アルバータ州にある傷ついた馬のための保養施設「ハートランド厩舎」を舞台に、母親を自動車事故で亡くした姉妹のエイミーとルー、姉妹の祖父であるジャックが、生前の母親の夢だった傷ついた馬の療養を続けるべく奔走する(一部Wikipediaから引用)というドラマで、エイミーの成長を描いた青春ドラマでもあり、牧場を舞台にしたホームドラマでもある。なんとなく見始めたのだが、昨日第2シーズンまで見終わったので簡単に感想を。

牧場が舞台なので映像的にはスケールが大きく、登場人物たちのカントリー的ライフスタイルも開放的で素敵なのだが、その実エイミーの家族とその周辺だけですべてが終始する、恐ろしく狭い世界で展開するドラマでもある。例えばエイミーの姉ルーはNYで働いていて母の訃報を聞き帰ってくるのだが、NYでの様子は第一回でのワンシーン以外全く映像に出てこない。タイは第1シ-ズン終盤でハートランドを離れ実父とともにモントリオールに行ったと語るがそのシーンは一切ない。物語がハートランドとその近郊の町から出ることはほとんどない。そのあたりからカナダの「鬼渡」と呼ぶ人すらいるようだ。

第1シーズン、第2シーズンはエイミーとタイの関係、ハートランドの経営について奔走するルーとその恋愛模様を軸に様々なエピソードが盛り込まれるのだが、全体にむかつくような悪役もいないし安心して見れるドラマだ。馬が大きくストーリーにかかわるので、キャストは全員乗馬が素晴らしく上手で、特にエイミー役アンバー・マーシャルは馬に乗ってるシーンが非常に多く、競技会に出るシーンもあるので実際相当な腕前なのだろう、と思ったら英語wikiによると彼女の肩書は「女優、歌手、馬術家」なのだそうだ。エイミーは馬と気持ちを通じ合う天才的な少女という設定だが、フツーに勉強や恋に悩む少女でもあり好感が持てる。その相手役タイも暗い過去があり陰のある青年がだんだんまともになっていくのをうまく見せている。それと祖父のジャックがいい味を出している。頑固者だが若者の気持ちも理解している素敵なジジイだ。私もこうありたい。

登場する馬たちの見事な演技も見どころの一つ。このドラマ日本では一時、競馬の専門チャンネルグリーンチャンネル』で放送されていたようだが、さもありなん。馬好きにもたまらん作品だろう。

13年も続いているわけで、序盤ではティーンエイジャーのエイミーたちも最新シーズンではアラサーなわけで、彼女らがどんな風に年を取っていくのか楽しみなような怖いような。先は長いがぼちぼち見ていこうと思う。

あとこれはどうでもいいことなのだが、NETTFLIXのエピソード一覧のサブタイトルと、番組冒頭の字幕で示されるサブタイトルがまったく違うことが多いのがちょっと謎。例えば昨日観た第2シーズン第18話はエピソード一覧では「一歩前へ」に、字幕では「たどりついた場所」になっている。どっちかに統一してくれないかな。