永遠の門 ゴッホの見た未来

米英仏共作、2019年のジュリアン・シュナーベル監督作品でゴッホの伝記映画「永遠の門  ゴッホの見た未来」をNetflixで観た。

まず主演のウィレム・デフォーが自画像のゴッホそっくりでびっくり。アルルに移住するちょっと前くらいからのゴッホの晩年を詩的に描いた作品で、色彩過剰とも思える美しい映像が、ハンドカメラのブレブレの映像で展開する。観てて乗り物酔いみたいになる人もいるかも。ストーリー的にあまり狂気を色濃く前に出した演出ではない。ゴッホは晩年精神病院に繰り返し収容されているが、この時代は現代に比べて精神病院に入れるハードルが恐ろしく低かったこともあり、実際それほど異常だったのか個人的には疑問に思っている。

これは米英仏共作映画なのだがヨーロッパ映画っぽくセリフは最小限。なのでゴッホの生涯についてある程度知識がないと置いていかれるかも。音楽は音数の少ないピアノソロだけ。こういうの私は大好き。でもブレブレの映像とゴッホ目線の時画面下半分がボケるのは演出過多な気はする。

ゴーギャン役の役者さんがどこかで見た人だなあと思ってたらオスカー・アイザック(SWのポーの人)だった。あとマッツ・ミケルセン(007のル・シッフルの人)もチョイ役ながらいい役で登場。

ゴッホの死因は従来自殺と言われてきたが、最近では他殺とする意見もあるそうで、この映画でのラストは他殺説を採用した解釈。でもこれでは辻褄が合わないような気もするし、あの少年たちがなぜゴッホを襲ったのか全くわからない。ここは意見が分かれるかも。