ドクター・スリープ

スティーブン・キング原作、キューブリック監督の1980年の映画「シャイニング」の続編。前作のダニー少年は中年男ダンになりすさんだ生活を送っていたが、新しい街に移り住んでホスピスの職員になる。彼は持ち前の超能力を生かして亡くなる人の心を和らげることから患者たちから「ドクター・スリープ」と呼ばれるようになる。そんな彼は住んでる部屋の壁の黒板を通じてアブラという超能力を持つ少女と時折コミュニケ―ションしていた。ところが超能力を持つ少年少女の命を食って生きているローズたちの一団がアブラの強力な能力に気づき、アブラは狙われることに…

うーん。結論から言えば前作とは似ても似つかないサイキックバトル映画になっちゃった。結構アクションが多い映画で、前作のひたひた来る恐怖は全くなし。そもそもこれはホラー映画ではない(てか前作も厳密な意味ではホラー映画ではないと思う)。どっちかというと「ハリー・ポッター」シリーズに近い感じ。とは言えところどころに前作のエッセンスをまぶして見どころは多いし面白いことは間違いなし。最後にあのホテルにローズを誘い込み罠を張るというのもいいアイディアだと思う。

前作に登場したコックのディックが霊になってダン(ダニー)を導いているのだが、最後にダンがアブラの師みたいになって、これはなんだかスター・ウォーズみたい。ダンが「ドクター・スリープ」と呼ばれるのも、前作でディックがダニーを「先生(Doc)」と呼んでたのと呼応している。前作のシーンやキャラクターを新しい配役で再現しているのはCGとか使うよりもいいと思う。

原作は前作も含め全く読んだことがないのだが、だいぶ話が違うらしい。どうなってるのかちょっと興味あるが分厚いの4冊も読む気にはならんなあ。

でもあのホテルの幽霊たちは何だったのか、父のジャック・トランスとは何だったのか前作で謎だった部分は謎のまま、ホテルは全焼。それはそれでよかったのかもしれないけど。