天気の子

新海誠の2019年公開の最新作。やっと観た。

最近のゲリラ豪雨とか異常気象をネタにした発想はお見事。相変わらずの美しい映像には息を飲む。でもこれまでの作品同様シナリオはテキトーで、一番の問題点は主人公帆高がなぜ家出してきたのか、ヒロイン陽菜はなぜ弟と二人暮らしなのか全く語られない事だ。この点だけでこの作品は全くリアリティが欠けてしまう。別に帆高は普通に親とけんかして家を出てきたでもいいし、陽菜は父親と住んでてもいいと思う。親がロクデナシで貧困してる家庭は別に珍しくないが、子供二人で住んでいるのはあり得ない。前作「君の名は。」同様ヘンな歌が挿入されて気持ち悪いところもマイナス。結果的には自分たちの恋愛をほかのすべてよりも優先した(結果東京は水没)というなかなかの中二病ぶりな決着なのだが、二人の関係が世界のありようにかかわってくるという意味では完全に一昔前に流行した「セカイ系」そのもので、「もともとは東京は海の中だった」「もともとが狂った世界」とか言って主人公たちの責任を軽く見せるのは卑怯だと思う。

観てる間はまあ子供っぽく感動しちゃうんだが、よくよく考えるとそんなこんなでいろいろと歪んでいる作品だなあと思わずにはいられない。それとどんなに雨が降ったからって東京水没するのか?

というわけで今作も映像の美しさ以外にはほとんど見るとこないかな。

あと声優が…本田翼をキャストしたやつは責任取れ(笑)