アレン・スティール キャプテン・フューチャー最初の事件

エドモンド・ハミルトンの往年のスペースオペラの傑作「キャプテン・フューチャー」シリーズを、現代のSF作家アレン・スティールがリブートして始めた「新・キャプテン・フューチャー」の第一作。
最近は往年の人気スぺオペのリブートが流行っているのだろうか?「ローダンNEO」もそうだったけど。
オリジナルのキャプテン・フューチャーは全く読んだことがないし、昔NHKで放送されたアニメもあんまりよく見た覚えがない。なのだがこれは書店で見かけてなんとなく面白そうかなと思って購入。そのあとAmazonのレビューを見たら結構批判的な意見が多くてあれれと思いながら読んだら、いやいやすごく面白くてあっという間に読んじゃった。
太陽系内で各惑星に順応する形で発展した人類社会の様子とか、その惑星間を航行する宇宙船を動かす方法がレーザー推進だったりとか、割とリアルな科学的ギミックを背景に、魅力的だが決して超人的ではないキャラクターが活躍する。主人公カーティス(カート)がキャプテン・フューチャーなどというアホみたいな名前を名乗る破目になるくだりも面白いし、悪役も含めてキャラがそれぞれ立ってて楽しく読んだ。
オリジナルを全く知らないので、最初のほうはやや唐突な感じもあったが、だからといって説明不足という感じはない。
これが面白くない人は、「スターウォーズ」や「ヤマト」などどの作品にでもいるリメイクや続編を認めない、いわゆる原理主義者なのだろうと思う。
ひとつ気に入らないのはこの装画。描きすぎだ。特に中央に描かれたジョオンと思しき女性はなにやら卑屈そうな表情とだらしない体形で、作品中の凛々しく可愛いジョオンのイメージと全く一致しないと思うのだが。