ローダンNEO 第20-22巻

第20巻「水の惑星レヤン」第21巻「ワールドスプリッター」第22巻「時間の貯水槽」

なかなか目まぐるしい展開の第3シーズン。複数のストリーが並行して語られるのはいつものことだが、このシーズンでは偶数巻がローダンの、奇数巻がクレストの話になっていてそういう意味では分かりやすいかも。第20巻では海洋惑星レヤンを舞台に戦乱の危機を巡って緊張感ある物語が展開する。謎の宇宙船を駆る「諜報者」は何者なのか。一方地球では土星の衛星タイタンを訪れたマノリたちが遭難してしまう。

第21巻ではアルコンに支配されている惑星ケドハッサンを訪れたクレストたち。全体主義の昆虫型宇宙人オルグにアルコン人監察官と偽って探りを入れるクレストとタチヤナは、この星の原住民族イルトがオルグに迫害されていることを知る。地球ではファンタン星人の予防措置のためにグッキーらが危機に陥るが、ブルとスーにも同じ症状が出るはずと気づいたマノリまでも単独で転送機をくぐってしまう。その後の第22巻にはマノリは登場しないのでいったいどうなるのかとても気になる。

第22巻ではレヤンを去ったローダン一行が現代では存在しない惑星アンブルに到着。だがこの惑星は何者かに指示されたトルトが住民全員の立ち退きを命令されて混乱していた。今回は地球の話はなしで、そのかわりアンブルの総督ガレアンとその部下シムの物語が挟まる。これまでの巻では大抵一巻ごとに何らかの決着がついていたのだが、この巻は物語に決着がつかず「続く」で終わってしまう。うーむどうなるのやら。でもこの続きって第23巻じゃなくて第24巻だよね~

第22巻では危機から救ってくれたアンブルの集落で奉仕活動をすることになるが、ローダンが現地女性イニェエと深い仲になっちゃうところがこれまでにない展開。トーラとの間はまだ恋愛関係にまではなってないとはいえ、これは後々禍根を残しそう(笑)。痴話喧嘩になったら「あんたなんかあの女とやっちゃったじゃないの!」とか言われそう。いやトーラはそんな下品なこと言わないと思うけど、だからこそさらにコワいかも。

というわけで、この第3シーズンは一行の宇宙漫遊記として大変楽しくできている(いや物語はもっと深刻なんだけど)。それぞれの惑星の風物がジャック・ヴァンス並みに濃密に描かれてたら最高だけど、さすがにそこまでは求められないか。

今月発売の第24巻「永遠の世界」で第3シーズンは終わりなんだけど、これまでの3シーズンが8巻ごとだったのに次の第4シーズンからは12巻になる模様。ハヤカワさん毎月出すのかな。さてどうなる。